こんにちは、税理士の八谷です。本当の意味での相続税のエキスパートとして、相続税申告のお悩み、疑問のヒントをお伝えしています。
June Bride (ジューンブライド)の季節ですね♪古くからヨーロッパでは「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」と言い伝えがあるそうです。
ギリシャ神話に登場するゼウスの妃で、結婚や出産を司る女神Juno(ジュノ)が守護する月が6月だから、という説があるとか。
現在は、コロナ禍で結婚式を開催することも難しいみたいですが、早く祝福ムードあふれる結婚式が挙げられるようになってほしいですね。
 
さて、とてもおめでたい結婚式ですが、実際に挙げようと思うと費用はどのくらいかかるのでしょうか?!
今回は結婚、出産、子育てと将来に向けて何か節税対策はないの?という内容で、「結婚」を中心にお話したいと思います。

1. 結婚式の費用って、いったいどのくらい?!

結婚式は式場や招待するゲストの人数、提供するお料理によって差が大きいところですが、平均的に見積もられている 結婚式の費用は約5万円×ゲストの人数と言われています。60名のゲストをお招きした場合は約300万円となる計算です。 しかも、結婚となると式のみならず、指輪、結納、また新婚旅行なども考えなくてはなりません。
なかなかの金額になりますですので、結婚する当事者の方の貯金では足りない、というお悩みも多いようです。

2. 結婚費用を援助してもらうと贈与税?

結婚費用に関しては、よくご両親や祖父母の方が援助する事が多いようです。
身内とは言え、結婚費用を援助すると、金額や内容により贈与税の対象となってしまう可能性があります。
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3. 1000万円が非課税!結婚・子育て資金の贈与特例

父母や祖父母など直系尊属から結婚、子育て資金に充てるための援助はある一定の要件を満たせば1000万円まで非課税となります。
ただし、結婚費用については300万円が限度となっています。

1 特例が適用できる要件は?

受贈者(もらう人)は20歳以上50歳未満であること
※令和4年4月1日以降は18歳以上50歳未満となります。

受贈者の、贈与を受ける年の前年の合計所得金額が1,000万円を超えていないこと
令和5年3月31日までに一定の贈与手続きを行うこと

2 非課税になる費用は?

挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)のための費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)
 
※ 結婚・子育て資金の範囲などについて不明な点がある場合には、内閣府子ども・子育て本部へお尋ねください。

3 特例を受ける手続きは?

金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(父母や祖父母など。以下「贈与者」といいます。)から
a. 信託受益権を付与された場合
b. 書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合
c. 書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合
 
信託受益権又は金銭等の価額のうち1,000万円(結婚資金は300万円)までの金額に相当する部分の価額については、取扱金融機関の営業所等を経由して結婚・子育て資金非課税申告書を提出することにより贈与税が非課税となります。

4 特例を受ける注意点は?

契約期間中に贈与者が死亡した場合には、死亡日における贈与額から結婚のために引き出した金銭の残額管理残高)を、贈与者から相続等により取得したものとみなされます。
※ 令和3年4月1日以後にその贈与者から取得をした管理残額に相当する相続税額については、相続税の2割加算の対象となります。
受贈者が50歳に達することなどにより、結婚・子育て資金口座に係る契約が終了した場合には、その残額はその契約終了時に 贈与があったこととされます。

3. まとめ

いかがでしたでしょうか?この特例を利用すれば、結婚資金に関する心配事を少しでも軽くできますよね。次回は、引き続きこの特例の「子育て資金」に関する内容となります。
特例に関しては分かりやすく説明しております。実際の手続きや特例適用条件は色々と複雑な面もごさいます。何かご不明な点等がありましたら、八谷昌宏税理士事務所まで、お気軽にご相談下さい。